支援事例紹介
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“法人営業のデジタル化”で新規取引先が増加!手芸用品のツクリエが取り組むBtoB-ECの施策とは?


法人取引のEC(BtoB-EC)を伸ばしている企業は、どのような施策を実行しているのでしょうか。今回紹介するのは、生地や手芸材料の企画・製造・販売を手がけている株式会社ツクリエ(本社埼玉県八潮市)が、BtoB-ECサイトを活用して新規取引先を増やした事例です。

同社は2020年7月にBtoB-ECサイトをオープンし、法人営業のデジタル化に着手しました。卸事業におけるデジタルマーケティングの役割を再定義した上で、SEOやWeb広告といったデジタル施策を導入。対面や電話など従来の営業手法にデジタルの施策を組み合わることで、新たな営業スタイルを確立して取引先を増やしています。

株式会社ツクリエがBtoB-ECサイトの売上高を伸ばした方法とは。ていかの伴走型コンサルティングを契約し、法人営業のデジタル化を実現した取り組みの一端をご覧ください。

株式会社ツクリエの事例

課題

卸事業のEC売上高を伸ばしたかったが、BtoB-ECの知見を持った人材がいなかったため、改善策がわからなかった。

対策

BtoB-ECサイトを2020年7月に開設(株式会社ていかが支援)。その後、2021年7月から2023年3月まで株式会社ていかの伴走型コンサルティングを契約し、法人営業のデジタル化に取り組んだ。

成果

新規取引先が増加し、BtoB-ECサイトの月商はコンサルティング契約前と比べて2倍以上に拡大した。BtoB-ECの仕組みが出来上がったことで、契約が終了した後もEC売上高が伸びている。

(写真左から)第2事業部 営業部次長 渡部さん/企画室 課長補佐 内田さん/第2事業部 営業部 アシスタントマネージャー 祥雲さん

時代の変化に合わせて法人営業をデジタル化

──本日は、ツクリエさんが2020年に開始した法人営業をデジタル化する取り組みと、その成果について、お話をお聞かせください。はじめに、貴社の事業概要とBtoB-ECを強化している理由を教えていただけますか?

第2事業部 営業部 次長 渡部さん(以下、渡部さん):株式会社ツクリエは、生地や手芸材料の企画・製造・販売を行なっている会社です。主に100円ショップや手芸専門店などに卸売りしています。近年は消費者向けのECサイトも伸びていますが、売上規模としては法人向けの卸売りが圧倒的に大きいです。

──2020年7月にBtoB-ECサイト「株式会社ツクリエ 卸・仕入れサイト」を立ち上げましたね。

渡部さん:はい。時代の変化に合わせて法人営業のスタイルを進化させるため、BtoB-ECサイトを作りました。

近年、生地や手芸材料の法人取引にEC(卸サイト)を活用する販売店さんが増えています。仕入れ先をインターネットで探し、発注から決済までオンラインで完結させるケースも少なくありません。弊社は主に対面や電話、ダイレクトメールなどで法人営業を行ってきましたが、取引先を増やしていくには、デジタルの力を活用することが必要だと判断しました。

──BtoB-ECサイトを立ち上げたことで、どのようなメリットがありましたか?

第2事業部 営業部 アシスタントマネージャー 祥雲さん(以下、祥雲さん):訪問営業が難しかった地方の個人商店や、これまで接点がなかった異業種との取引が増えました。また、注文方法をFAXからECに替えることで、注文処理や請求にかかる業務を削減できています。

BtoB-ECサイトがあることで商談もスムーズに進むようになりました。商談の際、BtoB-ECサイトのURLをお客様にお伝えすれば、最新の商品ラインナップをご覧いただけます。口座開設や与信審査の書面をやり取りする手間もかかりもありません。BtoB-ECサイトは営業ツールとしても重宝しています。

BtoB-ECサイトはお客様からも好評です。検索機能が充実しているのでカタログよりも商品を探しやすく、FAXよりも簡単に注文できるといった反響をいただいています。

弊社は10年ほど前からBtoB-ECを行っていましたが、消費者向けのECサイトの中に法人用の注文ページを設けていただけで、ほとんど稼働していませんでした。しかし現在はSEOやネット広告といったデジタル施策も取り入れて、積極的にECを展開しています。今ではBtoB-ECサイトは卸事業に欠かせないツールになりました。

2020年7月に開設したBtoB-ECサイト「株式会社ツクリエ 卸・仕入れサイト」

BtoB-ECを軌道に乗せるため、ていかの伴走型コンサルティングを契約

──BtoB-ECを強化するにあたり、株式会社ていかの伴走型コンサルティングを契約してくださった経緯をお聞かせいただけますか?

渡部さん:BtoB-ECの専門知識を持った人材が社内にいなかったため、事業が軌道に乗るまで、ていかさんにサポートをお願いしました。

BtoB-ECサイトの立ち上げにおいては、要件定義から制作会社の選定、制作会社へのディレクション、コンテンツの準備、テスト運用まで、ていかさんに手厚くご支援いただけたので大変心強かったです。

その後、オープンから1年ほどは自分たちだけでBtoB-ECサイトを運用していたのですが、当初の計画に対して、取引先の獲得が思うように進みませんでした。当時の私たちはBtoB-ECのノウハウがなく、何をすれば良いかわからなかったんです。BtoB-ECの成長速度を加速させるには、専門家にサポートしていただく必要があると感じたので、ていかさんの伴走型コンサルティングを契約しました。

株式会社ていかのEC支援サービスは、事業戦略の立案からサイト構築、運用、デジタルマーケティング、CRM、SNS、PR、人材育成まで支援する

コンサル開始から2年弱でBtoB-ECサイトの月商が倍増

──コンサルティング契約の期間中に、BtoB-ECサイトの売上高が大きく伸びましたね。

渡部さん:はい。新規の取引先が増えて、BtoB-ECサイトの月商はコンサルティング契約前と比べて2倍以上に増えました。ていかさんのご支援もあって、BtoB-ECの仕組みが出来上り、契約が終了した後もEC売上高は着実に伸びています。

──BtoB-ECサイトの売上高を伸ばすことができた要因を、どのように分析していますか?

渡部さん:何か一つの施策が当たったということではなく、ていかさんにご支援いただきながら、デジタルを活用して法人営業のあり方そのものを見直したことが成果につながったと感じています。

──法人営業のあり方を見直すために、伴走型コンサルティングを通じてどのようなことに取り組んだのでしょうか。

ていか 佐藤:はじめに取り組んだのは、ツクリエさんのBtoB-ECの戦略を策定することです。法人営業をデジタル化する目的を明確化するなど、ビジネスにECを組み込むことの意義も議論しながら、事業の戦略を作っていきました。

そして、その戦略にもとづいてリード獲得から会員登録、再購入、優良顧客化といった法人営業のファネルごとに施策を立案し、実行計画のスケジュールを作成しました。

また、BtoB-ECサイトの運用に必要な知識や、SEOなどデジタル施策のノウハウ、PDCAサイクルの回し方などを習得していただくために、ECチーム全体の勉強会やマンツーマンでのコーチングなども実施させていただきました。

こうした一連の取り組みがうまく噛み合って、BtoB-ECサイトの売上高が伸びたのだと思います。

アナログとデジタルが融合した新たな営業スタイルを確立

──BtoB-ECサイトの売上高を伸ばす上で、特に効果があった施策の成功事例を教えてください。

ていか 植田:従来から行っていた対面や電話での営業にデジタルマーケティングを組み込んで、新しい営業スタイルを確立したことが、BtoB-ECサイトの売上拡大につながったと思います。

特に成果が大きかったと感じた施策の具体例を1つ挙げると、全国の手芸専門店をインターネットで調べ上げ、アタックリストを作成して「株式会社ツクリエ 卸・仕入れサイト」をご案内したことです。

アタックリストに対してダイレクトメールを送付し、後日、送付先に対して個別に電話をかけて商品のご案内やBtoB-ECサイトのメリットをご説明する取り組みです。新規登録してくださった取引先にはステップメールなどで有益な情報を提供し、再購入につなげるとともに、定期的に電話をかけて再注文を促しました。

ツクリエさんが行ってきた対面営業の強みに、デジタルの施策を掛け合わせることで、BtoB-ECサイトの新規会員登録数を飛躍的に増やすことができた成功例です。

祥雲さん:弊社はそれまでアナログの営業スタイルだったため、デジタルの施策を取り入れることに戸惑いもありました。でも、ていかさんが「アナログとデジタルは対立するものではなく、組み合わせることで相乗効果を生み出せる」とアドバイスしてくださり、営業フローの設計をサポートしてくださったので、こうした新しい営業スタイルを確立することができました。

企画室 課長補佐 内田さん(以下、内田さん):効果があった施策という観点では、購入履歴にもとづいて取引先をグループ分けして、プロモーションの内容を変えるなど、CRMを導入したことも成果につながっていると思います。それまでCRMは手薄だったのですが、ていかさんからサポートしていただきながら取引先のセグメント構築を行ったことで、マーケティングやプロモーションの幅が広がりました。

渡部さん:それまで営業担当者が口頭で説明していたことを、オンラインに移植したことも効果があったと思います。例えば、BtoB-ECサイトにブランドごとのカテゴリーページを設けて、ブランドの特徴や魅力、コンセプトなどを写真と文章で説明しています。生地の購入ページには、その生地で作った服やバッグなどの写真を掲載するなど、購入意欲を高めるコンテンツも増やしてきました。

ていか 植田:そうしたオンラインコンテンツを充実させた結果、SEOにも効果が出ていますね。例えば検索エンジンで「ソレイアード 仕入れ」といったキーワードで検索すると、弊社のBtoB-ECサイトが上位に表示されます。こちらから営業しなくても検索エンジンから見込み客が流入し、会員登録してくださるケースが出てきたことは、法人営業をデジタル化した大きな成果だと思います。

(写真左から)株式会社ていか 代表取締役 佐藤嘉定/執行役員 植田雅

「ビジネスに伴走してくれるチームコーチのような存在」

──ていかのコンサルティングに対する率直な感想を、ぜひお聞かせください。

渡部さん:ていかさんとの毎月のミーティングを通じて、着実に成長している実感がありました。施策の進捗確認や数字の振り返りなどを行い、課題の洗い出しと改善策の立案を行うことで、やるべきことがどんどん明確になっていく有意義な時間でした。

佐藤さんと植田さんは私たちの議論をうまく先導してくださったので、思考の習慣というのでしょうか、ものごとをロジカルに考えたり、仕事に対して深く考察したりする癖を身につけることもできたと思います。

今思うと、ていかさんの伴走型コンサルティングは、ビジネスに必要なスキルのトレーニングだったようにも思います。おふたりは、私たちと同じ目標に向かって伴走してくださるチームコーチのような存在でした。

株式会社ていかが実施しているECチーム育成プログラム

祥雲さん:佐藤さんと植田さんは、私たちの性格や得意・不得意といった個性を見抜いて、それぞれに合ったやり方で成長を促してくださっていたように感じました。

例えば、デジタルに苦手意識を持っているスタッフに対しては、マンツーマンで相談に乗って、仕事のどこでつまずいているのか丁寧に聞き取っていらっしゃいましたよね。「大丈夫!できる!」とはげまして、達成しやすい小さな目標を立てて、成果が出たら一緒に喜んでくださって。やる気を引き出して、成長をうながすのがとてもお上手だと感じました。

それから、おふたりのコンビネーションも絶妙ですよね。佐藤さんが事業戦略や、やるべきことの方向性を決めて、植田さんがそれをわかりやすく具体的に説明してくださったので理解しやすかったです。

内田さん:ていかさんのコンサルティングを受けたことで、直接の取引先である販売店さんの先にいるお客様のことを、それまで以上に強く意識して商品開発を行えるようになりました。弊社が提供している価値やブランドごとのペルソナを、とことん掘り下げたことによって、商品を実際に使ってくださっているエンドユーザーさんの人物像や利用シーンを具体的に想起できるようになり、商品開発にも良い影響が出ています。

数字にこだわってBtoB-ECサイトを伸ばしていきたい

──最後に、BtoC-EC事業の抱負をお聞かせください。

渡部さん:これからもBtoB-ECの売上サイトをしっかり伸ばしていきたいです。BtoB-ECに本気で取り組んできたからには、数字にもこだわりたいと思っています。ていかさんから教わったことを忘れず、お客様に一層満足していただけるBtoB-ECサイトを目指します。

祥雲さん:私も数字にはこだわりたいですね。今後も卸事業にBtoB-ECサイトをどんどん活用していきたいです。

内田さん:仕事において大切なことを、ていかさんからたくさん学びましたので、それを心に刻み込んで、これからの仕事に活かしたいです。

ていか 植田:今回お話をうかがって、「手芸を愛する人を支援する」というEC事業の理念がしっかり根付いていると、あらためて感じました。これからも、手芸を愛する人たちのためにBtoB-ECサイトを進化させてください。。

ていか 佐藤:約1年ぶりにお会いして、みなさんがしっかり自走していらっしゃる姿を見ることができて、とても嬉しいです。本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

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