南フランスの生地ブランド「ソレイアード」をはじめ、バラエティ豊かな生地や手芸用品の企画・製造・販売を行っている株式会社ツクリエ(本社埼玉県八潮市)。100円ショップや手芸用品店などへの卸売りを中心に手がけてきた同社は、時流にあった新たな販売チャネルを確立するため、2020年にBtoC-EC事業の強化に乗り出しました。
ていかのEC支援サービスを2020年1月に契約し、事業戦略の策定や自社ECサイトのリニューアル、プロモーション施策の拡充、CRM施策の導入、SNSアカウントの運用強化などに取り組んだ結果、自社ECサイトの売上高が3年で10倍以上に増えるなど大きな成果をあげています。
株式会社ツクリエのBtoC-ECが飛躍した背景には、どのような取り組みがあったのでしょうか。EC部門のみなさまにお話をうかがいました。
新たな販売チャネルを確立するためにBtoC-ECサイトを強化したかったが、ECやデジタルマーケティングの専門知識を持ったスタッフが社内にいなかったため、有効な改善策を実行できていなかった。
株式会社ていかのEC支援サービスを2020年1月から2023年3月まで契約。事業戦略の策定やペルソナの設定、自社ECサイトのリニューアル、プロモーション施策の拡充、CRM施策の導入、SNSの運用強化などに取り組んだ。
自社ECサイトの売上高が3年で10倍以上に拡大。Instagramアカウントのフォロワー数も1万人を超え、ファンからの支持が広がるなど、さまざまな成果をあげている。
──本日はツクリエさんがBtoC-ECを伸ばすために取り組んできたことと、その成果についてお話をうかがいます。まずは、ツクリエさんが手がけている事業について、あらためて教えていただけますか?
常務取締役 荒木さん(以下、荒木さん):弊社は、南フランスの生地ブランド「ソレイアード」をはじめとするバラエティ豊かな生地や、ゴム紐やワッペンといった手芸材料の企画・製造・販売を手がけています。主な販売先は100円ショップや手芸専門店です。全国展開している大手チェーンから個人商店まで、数百社の卸先があります。
EC事業は2003年から手がけてきました。現在は「craf(クラフ)」という屋号で自社ECサイトと楽天市場店を運営しています。
──自社ECサイトの売上高が大きく伸びていますね。
荒木さん:2020年に自社ECサイトの強化に着手し、3年で自社ECサイトの売上高が10倍以上に拡大しました。全社売上高に占めるEC比率も高まっており、例えば主力ブランドである「ソレイアード」の売上高は、どの卸先よりも自社ECサイトの売上高が大きいです。
近年は手芸材料をSNSや検索エンジンで探して、オンラインで購入する消費者が増えています。近所に手芸専門店がない方や、さまざまな理由で外出が難しく実店舗に行けない方もいらっしゃるでしょう。そういった方々にも手芸を楽しんでいただけるように、自社ECサイトでの販売を広げています。
──自社ECサイトを強化する上で、ていかのEC支援サービスを契約してくださった経緯をお聞かせいただけますか?
荒木さん:BtoC-ECを強化したかったものの、ECやデジタルマーケティングの専門知識を持ったスタッフが社内にいなかったため、ECの専門家である、ていかさんにサポートしていただくことが成果を出す近道だと判断し、ていかさんと契約しました。
ツクリエは2000年代の前半からECを手がけてきましたが、経営の柱は卸売りでありECは傍流でした。直営店(※現在は閉店)のスタッフがECサイトの受注処理や梱包、出荷といった作業を兼務していたこともあって、ネット広告やSEOといったデジタルマーケティングを行うことも難しく、ECに本腰を入れることができていませんでした。言葉を選ばずに言えば、片手間でECサイトを運営していたのが実情だったんです。
──BtoB-ECサイトの売上高が伸びた要因を、どのように分析していますか?
荒木さん:佐藤さんと植田さんにEC事業の戦略設計から関与していただき、弊社のBtoC-ECサイトに必要なことや、会社としてやるべきことをゼロベースで議論した上で、EC事業を基礎から再構築したことが、その後の飛躍につながったと考えています。
ツクリエにとって最適なECのあり方について、とことん議論し、ツクリエにしかできないBtoC-EC事業を作り上げたからこそ、価格競争ではなく、コンテンツやサービスの価値でお客様から選ばれるECサイトを作ることができました。
ていか 佐藤:契約後、最初の3ヶ月ほどは「ビジネスモデルキャンパス」などのフレームワークを使って、ツクリエさんのEC事業の根本的な部分を一緒に議論しましたよね。ツクリエさんが手がけるBtoC-ECサイトの価値とは何か。ECサイトのお客様は誰なのか。「craf」のあるべき姿や、ブランドごとのペルソナなどを掘り下げました。
そして、その議論から導き出したEC戦略にもとづいて、サイト制作会社の選定やリニューアルの要件定義、デジタルマーケティング施策の立案、CRM施策の設計、ネット広告などのプロモーション展開、SNS運用などの施策を設計させていただきました。
荒木さん:「ビジネスモデルキャンパス」は頭から煙が出そうなくらい思考をフル回転する必要があったので、ECチームのメンバーはとても大変だったと思います。でも、あのときにしっかり議論して、EC事業の土台を固めたことで、自分たちが進むべき方向性が明確になりました。
ていか 佐藤:EC事業を伸ばすには、企業におけるECの目的や、進むべき方向性を整理した上で、チーム全体で戦略を共有することが欠かせません。ですから、ツクリエさんとの取り組みにおいてもEC事業の戦略策定やペルソナ設計に時間を割きました。同時に、ECチームの皆さんが同じ方向にむかって進んでいけるように、ECの知識習得を含めて、デジタル化に対するマインドセットを行いました。
ていか 植田:ECサイトの運用を開始してからは、コンテンツ制作やSEO、リスティング広告、SNSアカウントの新規立ち上げ、CMR施策など、さまざまな施策をご提案し、実行計画の策定と進捗管理もサポートさせていただきました。佐藤も申し上げましたが、ECを伸ばすにはECチームの皆さんが事業戦略を共有し、目指すべきゴールにむかって目線を合わせることが大切です。そういった意味では、ECチームの皆さんが当事者意識を持ってEC事業に取り組んでくださったので、その後のEC運営がスムーズに進んだのだと思います。
第二事業部 営業部 次長 渡部さん(以下、渡部さん):「ビジネスモデルキャンパス」を使って「craf」の価値やブランドごとのペルソナを言語化したことで、マーケティングやプロモーションで打つべき施策も明確になりました。
お客様はどのようなデザインを好み、ブランドに何を求めていらっしゃるのか。そういったことを高い解像度で想像できるようになり、ECサイトに掲載する写真やキャッチコピーなどの判断基準もブレなくなったと思います。
──ECサイトの運用を開始してから、特に成果が上がった施策は何ですか?
EC担当 兼宗さん(以下、兼宗さん)::コンテンツマーケティングやネット広告、ステップメールを使ったリピート促進など、効果があった施策はたくさんありますが、その中でも特に大きな成果が出たのはInstagramアカウントの運用です。
自社ECサイトをリニューアルしたタイミングで「craf」のInstagram公式アカウントを新たに立ち上げて、そこから約3年でフォロワー数は1万1000人を超えました。コメントでの交流や、ギフティングなどの企画を通じて、フォロワーさんとのつながりを深めながら自社ECサイトの集客につなげています。
ていか 植田:Instagramアカウントでは「craf」で買える生地を使った服の作り方や、生地の特徴を活かしたソーイングのポイント、ひとに聞けないソーイングの疑問など、生地の専門店ならではの有益な情報を発信していらっしゃいますね。
兼宗さん:「ビジネスモデルキャンパス」での議論を通じて、SNSの運用方針やペルソナをしっかり決めたからこそ、お客様が求めているコンテンツを発信することができていると思います。
ていか 植田:小河さんと兼宗さんのおふたりで、インスタライブも配信していらっしゃいますね。
EC担当 小河さん(以下、小河さん):インスタライブは、ていかさんから「やったほうがいい」と背中を押されて始めたんですよね。始める前は、自分にできるのか不安でしたが、佐藤さんと植田さんにうまく乗せられて、やってみたらお客様からも思いのほかご好評をいただいてしまって。
今では週1回ほど配信し、アーカイブを含めて1回あたり数千人が視聴してくださっています。
生地の質感や、完成品の服の着用感を伝えるには、写真よりも動画やライブが向いています。そういった意味では、インスタライブはECサイトを補完する重要なプロモーション手段です。また、ライブ中に視聴者さんが投稿したコメントに答えるなど、お客様と交流する貴重な機会にもなっています。
兼宗さん:インスタライブは売上にもつながっています。先日、洋裁系のインフルエンサーさんとコラボした際は、1万円のソーイングセットが2日で約300セット売れました。
そのインフルエンサーさんとは約3年前に、弊社からコラボを依頼したことがきっかけでご縁ができました。当時、私たちのフォロワー数は2000人くらいで、相手は数万人だったので、恐れ多いと震えながらコラボをお願いしたことを覚えています。
でも今回は、先方からコラボ配信のオファーをいただけました。私たちのことを認めていただような気がして、SNSを頑張ってきて本当に良かったと思いました。
正直、私も自分たちがインスタライブを配信するようになるとは思っていませんでした。佐藤さんと植田さんが導いてくださらなければ、今でもやっていなかったと思います。
「ビジネスモデルキャンパス」を使って議論していたとき、私が「お客さまとの関係性を深めるにはライブも必要だと思う」と発言したら、佐藤さんが「そうだよね。じゃあ、やりましょう」とすかさず合いの手を入れてくださいましたよね。自分で言ったからには、やるしかない雰囲気になってしまったのですが、今にして思うと、おふたりにうまく誘導されたのかもしれません。
ていか 佐藤:誘導したつもりは、まったくないんですよ。ただ、ご自身たちの頭の中で、やるべきことを理解できていると感じたので、思考の整理をお手伝いさせていただきました。
──せっかくインタビューの機会をいただきましたので、ていかのEC支援サービスに対する率直な感想を、ぜひお聞かせください。
渡部さん:ECに必要なことはすべて、ていかさんから教わったと思っています。ECの素人同然だった私たちがECのことを理解できるまで、時間をかけて、根気よく教えてくださいましたよね。
佐藤さんと植田さんは、私たち一人一人の性格や得意・不得意も考慮して、同じ目線に立って伴走してくださる頼もしい存在でした。
荒木さん:ていかさんのコンサルティングは、EC支援の枠を超えて、ビジネスのチームコーチングという印象も強かったです。そのあたりが、他のコンサルティング会社とは違うところなんでしょうね。
それから、ていかさんは契約していないことまでサポートしてくださることもあって、良い意味で、本当におせっかいな会社だなと思いましたよ。
──最後に、BtoC-EC事業の抱負をお聞かせください。
小河さん:お客様が楽しめるネットショップを作っていきたいです。ECサイトの読み物やSNSの企画、インスタライブなど、手芸を楽しむ方法をお伝えするコンテンツをたくさん発信して、「買い物の一歩先」までご提案したいと思っています。
兼宗さん:Instagramアカウントを活用して、お客様とのつながりをさらに深めていきたいと考えています。オンラインでのコミュニケーションにとどまらず、フォロワーさんを対象としたワークショップなど、リアルのイベントも増やしていきたいです。
渡部さん:「craf」はただの販売チャネルではなく、会社の顔にもなっています。卸先のバイヤーさんが、「craf」やInstagramアカウントのコンテンツを見て、売り方の参考にしてくださることも少なくありません。「craf」は卸事業にも貢献できるチャネルですので、会社全体の相乗効果も意識しながら運営していきたいです。
荒木さん:BtoC-ECの再構築に着手してから4年が経過し、これまでに取り組んできたことの成果が1つ1つ花開いてきました。これからもツクリエならではの価値を提供し、多くのお客様から選んでいただけるECサイトを目指します。
ていか 植田:弊社がEC支援サービスを開始した初期の頃、「手芸を愛する人を支援する」というビジョンを一緒に作りましたよね。今日、お話をうかがっていて、そのビジョンをしっかり貫いていらっしゃることが伝わってきました。みなさんにお会いするのは約1年ぶりでしたが、みなさんがすごくレベルアップしていらっしゃる姿を拝見できて、本当に嬉しいです。
ていか 佐藤:ツクリエさんのEC事業が、今も進化し続けていることがわかって嬉しいですよ。ちょっと涙が出そうなくらい。
ていか 植田:そろそろお時間がきましたので、インタビューを終えたいと思います。今日はお時間をいただき、ありがとうございました!
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